コラム

続・顧問弁護士契約のススメ1-老舗企業編

続・顧問弁護士契約のススメ





第1回 老舗企業編

目次

1 ケース
2 弁護士がサポートできること
(1)他社・大学・研究機関との業務提携の取組みのサポート
(2)営業秘密の漏えいを防ぐ情報管理戦略のサポート
(3)ブランド力を高めるためのコンテンツ戦略のサポート
(4)人材を活用するための仕組みづくりのサポート
(5)コンプライアンスを高めるための継続的な取組みのサポート
3 顧問弁護士契約をおすすめする理由
(1)継続的な関係があるから、できること
(2)顧問弁護士だから実現できる迅速性
(3)ちょっとしたことを、気軽に聞ける
4 当事務所の顧問弁護士サービス
(1)戦略法務に注力したサービス
(2)ChatworkとAI活用によって実現したレスポンスの速さ
(3)何よりも「専門性」と「信頼性」を大切に
5 顧問弁護士をお探しの方は

1 ケース

西宮味噌(株)は、江戸時代創業で、醤油や味噌の製造販売を主な事業内容としています。伝統的なノウハウを活かして粘り強く経営を続けてきましたが、大手メーカーに押されて、売上げが低迷しています。生き残りをかけて、発酵技術を活かした新たな商品開発や、インバウンド向けのツアー企画、Webコンテンツによる情報発信など、新しいことに取り組んでいきたいと考えています。これまで、税理士や社会保険労務士との顧問契約は結んでいましたが、弁護士との顧問契約を結んだことはありません。新たなビジネス展開を見据えて、弁護士との顧問契約を検討しています。

西宮味噌(株)のケースを素材に、新たなビジネス展開で生き残りを目指す老舗企業が、弁護士と顧問契約を結ぶメリットについて、詳しくご紹介したいと思います。

2 弁護士がサポートできること

このケースでは、どのような場面で弁護士が西宮味噌のビジネスをサポートできるでしょうか。いくつか、例をご紹介します。

(1)他社・大学・研究機関との業務提携の取組みのサポート

 西宮味噌では、発酵技術を活かした新たな商品開発のために、他社・大学・研究機関との業務提携を進めていくことが想定されます。そのために、業務提携契約書を作成したり、相手方から提示された業務提携契約書をレビューしたりすることが必要になります。

「業務提携契約書は、相手方から提示されたものにそのまま押印すればよいだけでは?」

決してそのようなことはありません。相手方から提示された契約書の多くは、自社にとって不利に(相手方にとって有利に)作られていることが大半です。そのまま押印してしまえば、思わぬ不利益を負って、取り返しが付かない結果になりえます。

特に、業務提携契約書において気をつけなければならないのが、知的財産の問題です。例えば、業務提携によって得られた研究成果について、特許出願との関係でどちらが発明者となるか(あるいは共有するか)研究成果を他の研究に応用することをどこまで認めるかが、契約上不明瞭になっていたり、相手方に有利な内容になっていたりすれば、後々に大きなトラブルに発展したり、意図しない損失を被ったりするかもしれません。

自社のビジネスを守る堅牢な業務提携契約を結ぶためには、知的財産の問題をはじめ、様々な法律問題に精通した弁護士のサポートが不可欠です。

(2)営業秘密の漏えいを防ぐ情報管理戦略のサポート

他社・大学・研究機関との業務提携において重要な社内対応が、営業秘密の管理体制の整備です。情報セキュリティポリシーの整備や、従業員を経由した漏えい事故を防ぐための就業規則見直しなど、営業秘密の漏えいを防ぐ管理体制が整備されていないと、そもそも業務提携自体を進められないおそれがあります。

また、営業秘密の管理体制を整備することは、自社の伝統技術を守るためにも重要です。例えば、西宮味噌の例でいえば、原材料の配合や発酵に適した環境など、自社の「味」を守る門外不出のノウハウが多数あります。このようなノウハウの蓄積は、多くの老舗企業において共通して当てはまるものです。営業秘密の漏えいを防ぐ管理体制が整備されていないと、このようなノウハウが他社に奪われて、ビジネスの存続が困難になってしまうかもしれません。

弁護士の立場からは、情報セキュリティポリシーや就業規則の整備から、従業員への意識づけを図るための社内研修のサポートまで、様々なサポートを差し上げることができます。

(3)ブランド力を高めるためのコンテンツ戦略のサポート

老舗企業として生き残るためには、既存の顧客からの信頼を維持することはもちろんのこと、新たな顧客を獲得していく取組みも必要です。そのためには、WebサイトやSNSでの情報発信をはじめとするコンテンツ戦略が重要です。

例えば、西宮味噌の例でいえば、発酵食品の健康効果を動画で発信したり、発酵をテーマにした漫画キャラクターと提携したりと、様々なコンテンツ戦略が考えられます。

このようなコンテンツ戦略においては、Webコンサルタントやデザイナー、ライターなど、コンテンツ戦略に精通した専門家との提携が不可欠です。弁護士の立場からは、コンテンツ戦略に精通した専門家との提携に関する契約書の整備などをサポートすることができます。

また、コンテンツ戦略においては、自社キャラクターの商品化や、自社ブランドに関連した電子書籍の出版など、ライセンスに関連した課題が生じることが多々あります。弁護士の立場からは、ライセンス契約の作成・レビュー、交渉上のアドバイスなど、多方面でのサポートを差し上げることができます。

(4)人材を活用するための仕組みづくりのサポート

老舗企業において新たなことに挑戦するためには、専門性の高い職種特化型の人材起用や、既存の従業員のモチベーションを高めるための人事制度の見直しなど、労務に関連した様々な仕組みづくりが重要です。

弁護士の立場からは、職種特化型の人材起用に際して必要な雇用契約書ひな型の整備や、人事制度の見直しに際して必要な就業規則の改定などのサポートを差し上げることができます。

また、人事制度の見直しに際しては、労働条件の変更について従業員とのトラブルが生じるリスクもあります。このようなリスクを最小限におさえるためのアドバイスも、弁護士の立場から差し上げることができます。

(5)コンプライアンスを高めるための継続的な取組みのサポート

顧客からの信頼やブランド力を維持したり、優れた人材を継続的に雇用し続けるためには、コンプライアンスを高めるための継続的な取組みが不可欠です。優れたコンプライアンス体制を構築することは、大手企業との業務提携やM&Aなど、重要なビジネスチャンスを確実なものにするためにも重要です。

弁護士の立場からは、社内規程の見直し、日々の事業活動に対する適法性のレビュー、顧客からのクレームへの対応など、コンプライアンスを高めるための継続的なサポートを差し上げることができます。

3 顧問弁護士契約をおすすめする理由

次に、老舗企業にとって、法的問題が発生するたびに弁護士を探す(スポット契約)のではなく、顧問弁護士契約を結んでおくことに、どのようなメリットがあるかをご紹介します。

(1)継続的な関係があるから、できること

スポット契約の場合、弁護士からアドバイスを差し上げられる範囲は、「ご相談をいただいた範囲」に限られます。そのため、専門家でなければ発見しづらい「潜在的な法務リスク」までアドバイスを差し上げることは難しいです。

他方、顧問弁護士の場合は、定期的にご相談をうかがい、事業活動の状況や、人事制度、経営理念など、その企業の重要な要素を把握しています。そのため、弁護士の側から「潜在的な法務リスク」に気づいて、積極的にアドバイスを差し上げることができます

西宮味噌の例でいえば、他社との業務提携のお話しをうかがった際に契約書レビューの重要性をお伝えしたり、情報管理戦略やコンテンツ戦略において留意すべき法的ポイントをお伝えしたり、さらには、コンプライアンスを高めるために望ましい取組みについてお話ししたりと、多方面から積極的なアドバイスを差し上げることができます

(2)顧問弁護士だから実現できる迅速性

スポット契約の場合、「すぐに弁護士に何か相談したい」と思っても、弁護士探し、問合せから、相談・依頼まで、それなりに期間を要してしまいます。

他方、顧問弁護士の場合は、スムーズに相談の依頼を進めることができます。例えば、「明日までに回答がほしい」といった要望にも、柔軟に対応することができます。

弁護士から迅速に回答を得ることは、大切なビジネスを進めるうえで法的課題がボトルネックにならないために大変重要です。

(3)ちょっとしたことを、気軽に聞ける

顧問弁護士の大きなメリットは、「ちょっとしたことを、気軽に聞ける」ことです。「あれ?これって問題ないのかな?」「このまま進めて、法律的なリスクはないのかな?」といった素朴な疑問は、顧問弁護士だからこそ気軽に聞くことができます。

実は、素朴な疑問を専門家に気軽に聞ける体制は、コンプライアンスを高めるために大変重要です。なぜなら、従業員の方が日常的に弁護士とコンタクトを取ることで、法律への知識と関心が高まり、コンプライアンスへの意識向上につながるからです。

このように、顧問弁護士には、スポット契約では得られない様々なメリットがあります。

4 当事務所の顧問弁護士サービスをおすすめします

最後に、当事務所の顧問弁護士サービスで、どのようなことにこだわっているかをご紹介します。

(1)戦略法務に注力したサービス

当事務所では、紛争が発生したときの交渉・訴訟対応や、紛争が発生しないための予防法務のほか、「戦略法務」に注力したサービスを展開しています。

「戦略法務」とは、「経営戦略にかかわる法的課題の解決をサポートする法務」のことです。新規ビジネスの展開や、既存ビジネスを成長させるための戦略を、「法律」の視点からサポートいたします。詳細は、以下のコラムをお読みください。

(2)ChatworkとAI活用によって実現したレスポンスの速さ

当事務所では、ビジネスチャット「Chatwork」AIレビューツール「LegalForce」を導入し、徹底した業務効率化を図ることで、「レスポンスの速さ」を実現しました。今後は、生成AIの活用によって、さらに業務効率化を加速させる予定です。

(3)何よりも「専門性」と「信頼性」を大切に

オンライン企業法務サービス「Web Lawyers」では、先進的にオンラインでの全国対応を導入し、高品質な法務サービスを提供してきました。最新情報の収集と研鑽を惜しまず、何よりも「専門性」「信頼性」を大切にしています。

5 顧問弁護士をお探しの方は

顧問弁護士をお探しの方は、ぜひ、当事務所にご相談ください。弁護士から、貴社のご要望をうかがったうえで、「顧問弁護士としてどのようなサポートができるか」「貴社にとって最適な顧問プランはどれか」など、詳しくお話しをいたします。

当事務所の顧問プランは「月1万円(税別)」からです。詳しくは、以下のバナーをクリックしてください。

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