コラム

デジタルプラットフォームの独禁法規制を弁護士が事例解説

弁護士 石田 優一

目次

第1章 デジタルプラットフォームと独禁法規制
第2章 デジタルカルテルの問題
1 デジタルカルテルとは
2 カルテル(「不当な取引制限」)の要件
3 相互に事業活動を拘束・遂行する
4 共同して
5 一定の取引分野における競争を実質的に制限する
6 本ケースにおける留意点
第3章 不公正な取引方法の問題
1 不公正な取引方法とは
2 拘束条件付取引とは
3 本ケースにおける留意点
第4章 優越的地位の濫用の問題1-購入キャンセルオプション
1 優越的地位の濫用とは
2 優越的地位の濫用の要件
3 優越的地位
4 濫用行為
5 本ケースにおける留意点
第5章 優越的地位の濫用の問題2-個人情報の利用目的変更
1 事業者と消費者との間における優越的地位の濫用
2 個人情報の収集・利活用と優越的地位の濫用
3 優越的地位
4 濫用行為
5 本ケースにおける留意点
6 個人情報保護法との関係
第6章 まとめ

第1章 デジタルプラットフォームと独禁法規制

令和3年3月末に、公正取引委員会から、「デジタル市場における競争政策に関する研究会-アルゴリズム/AIと競争政策」報告書が公開されました。この報告書では、デジタルカルテルやランキングアルゴリズム、不当なデータ収集の問題など、デジタルプラットフォームに独禁法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、独占禁止法)が適用されうるケースが説明されています。

デジタルプラットフォームは、もともと独禁法との関係が問題になりやすい側面があります。

第1の側面は、デジタルプラットフォームが、ネットワーク効果を持っていることです。デジタルプラットフォームは、利用者が多くなればなるほどサービスの質が高まり、利用者が多くなったデジタルプラットフォームはさらに利用者を増やしていく傾向にあります。また、利用者が増えたデジタルプラットフォームは、ターゲティング広告などの多様な手段によって収益化を図ることができ、その収益を活かした投資によってさらにサービスの質を高めることができます。このように、デジタルプラットフォームは、独占・寡占が短期間で進みやすい傾向があります。

第2の側面は、デジタルプラットフォームが、ロックイン効果を持っていることです。あるデジタルプラットフォームを利用していた利用者が、別のデジタルプラットフォームに乗り換えようとすると、データ移行の手間が発生するうえに、完全なデータ移行が難しいケースが多々あります。このような理由から、デジタルプラットフォームは、いったん獲得した利用者に乗り換えをさせずにロックインしやすい性質があります。

第3の側面は、デジタルプラットフォームは、運営事業者が個々の取引の仕組みを利用規約やアルゴリズムによって統一的に決定・支配しているために、利用者が個別の取引交渉をすることが困難なケースが多いことです。そのため、運営事業者が自己に都合がよいように個々の取引を決定・支配しやすい性質があります。

第4の側面は、デジタルプラットフォームは、背後でどのようなアルゴリズムが動いているかを運営事業者以外の人が知ることが一般に困難であることです。そのため、仮に、独禁法上問題のある行為を運営事業者が行っていたとしても、外部からは分かりにくいところがあります。

令和3年2月には、このようなデジタルプラットフォームに対する懸念から、大手のデジタルプラットフォーム事業者に対して透明性や公正性を求める「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が施行しました。このような流れの中で、今後は、この法律が適用されない規模のデジタルプラットフォーム事業者に対しても、独禁法に基づく規制が強化される可能性があります。

そこで、今回は、デジタルプラットフォームの独禁法規制について、具体的な事例を取り上げながら、詳しく解説していきたいと思います。

第2章 デジタルカルテルの問題

【ケース】

全国で100店舗のスーパーマーケットを営業するX社は、過去の商品の売上げ推移と気象データを統合したデータベースを構築し、各気象条件のもとでの商品の販売価格と売上額との相関関係を分析するAIを開発しました。X社では、このAIを利用して、各店舗における日々の商品販売価格を決定するようになりました。X社での取り組みは、プレスリリースを通じて話題になり、複数の他事業者から、このAIを事業者向けプラットフォームとして有償提供してほしいという声が寄せられるようになりました。X社は、プラットフォームの構築によって他事業者からも商品売上げデータを収集することができるようになり、自社にとっても有益な取組みであると判断し、プラットフォームの実現に向けてプロジェクトを立ち上げました。

1 デジタルカルテルとは

カルテルとは、同業者間で価格や供給量などについて互いに競争をしないように意思連絡を取り合うことで形成されるものです。カルテルが横行すれば、本来自由競争によって発展していくべき経済秩序が乱れてしまうことから、カルテルは日本だけではなく世界中の独禁法において禁止されています。

最近、このようなカルテルが、会合など人が話し合う方法ではなく、AIなどのアルゴリズムを用いた価格決定などによって形成されるようになることが問題視されています。このような形態のカルテルのことを、「デジタルカルテル」といいます。デジタルカルテルは、最終的に同業者間での競争を回避する点では通常のカルテルと共通していますが、カルテルの要件である意思連絡がAIなどのアルゴリズムによって実現される点が、これまでのカルテルと異なっています。

本ケースで取り上げたプラットフォームは、商品の販売価格と売上額との相関関係を分析した結果を契約事業者間で共有することができることから、デジタルカルテルに悪用されるおそれがあります。ここからは、デジタルカルテルに対して独禁法の規定がどのように適用されるかを検討しながら、本ケースにおいてデジタルカルテルを防止するための留意点を考えていきたいと思います。

2 カルテル(「不当な取引制限」)の要件

第2条第6項
「不当な取引制限」とは、事業者が、・・・他の事業者と共同して・・・相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

カルテルは、独禁法において、「不当な取引制限」として定義されています。「不当な取引制限」は、独禁法で例外なく禁止され(法3条)、違反事業者は、公正取引委員会から排除措置命令課徴金納付命令を受けるおそれがあります。

「不当な取引制限」の主な要件を整理すると、次のとおりです。

(1) 事業者が
(2) 他の事業者と共同して
(3) 相互に事業活動を拘束・遂行することにより
(4) 公共の利益に反して
(5) 一定の取引分野における競争を実質的に制限すること

なお、(4)の「公共の利益に反して」は、独禁法の究極的な目的に実質的に反しない例外的なケースを規制対象から除外する趣旨の要件ですが、このような例外的なケースが認められるのはまれですので、説明を省略します。ここからは、(3)「相互に事業活動を拘束・遂行する」、(2)「共同して」、 (5)「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」のそれぞれの意味を説明します。

3 相互に事業活動を拘束・遂行する

この要件を満たすためには、(a)(他の事業者が共同して)相互に事業活動を拘束すること(相互拘束)、あるいは、(b) (他の事業者が共同して)事業活動を遂行する(共同遂行)ことが必要です。相互拘束と共同遂行のいずれかがあれば要件を満たしますが、共同遂行は相互拘束を前提としたものに限られると考えられているため、実際には、相互拘束があったかどうかによって、この要件を満たすかどうかが決まります。

そして、相互拘束については、必ずしも明確な協定や合意による必要はなく、事業者同士がお互いに事業活動を制約されている状況が生じれば要件を満たすと考えられています。

4 共同して

(1) 「共同して」の意味とは

この要件を満たすためには、事業者同士がお互いに事業活動を制約されている状況が、「複数事業者間で相互に同内容又は同種の行為を実施することを認識ないし予測し、これと歩調をそろえる意思」(以下「共同意思」といいます。)の連絡によって生じたものであることが必要です。

もっとも、カルテルは秘密裏に行われることが通常であることから、共同意思の連絡が実際にあったかどうかを認定することは困難を伴います。そこで、事業者間で情報交換をして同一又はこれに準ずる行為に出た場合は、取引市場での競争に耐えうるという独自の判断によって行われたことを示す特段の事情のない限り、原則として共同意思の連絡があったことを認定することができると考えられています。

(2) デジタルカルテルにおける共同意思

デジタルカルテルの場合、価格決定などの決定にAIなどのアルゴリズムが介在することから、共同意思が認められるかどうかが問題になります。もっとも、たとえAIなどのアルゴリズムが介在していたとしても、その動作がどのような結果をもたらすかを理解し、事業活動の中でどのように活かしていくかを決めるのは、人の役目です。このような重要な意思決定の場面で人が介在している以上、共同意思は問題なく認められるものと考えられます。

また、AIなどのアルゴリズムによる価格決定などの情報を事業者間で共通に利用し、お互いにその情報に沿った同一・類似の価格決定を行った場合には、「取引市場での競争に耐えうるという独自の判断によって行われたことを示す特段の事情」のない限り、原則として、その事業者間において共同意思の連絡があったことが認定されると考えられます。

5 一定の取引分野における競争を実質的に制限する

この要件は、すでに検討した「共同して相互に事業活動を拘束・遂行する」行為によって、実際にカルテルとして規制すべきほどの効果が生じているかどうかを問題にするものです。

まず、「一定の取引分野」は、(a)商品・サービスの種類、(b)販売地域・提供地域、(c)取引段階(メーカーか、卸売か、小売かなど)、(d)取引の相手方など、カルテルによって実際に影響を受ける範囲を検討して画定します。

次に、「競争の実質的制限」とは、競争自体が減少して、特定の事業者などが、その意思で、ある程度自由に、価格・品質・数量その他各般の条件を左右することによって、市場を支配することができる状態が現れているか、あるいは少なくとも現れようとする程度に至っている状態をいうと考えられています。

カルテルは、「一定の取引分野」に参入する少数の事業者において形成されてもあまり意味はありません。なぜなら、カルテルに参入している事業者の商品・サービスは、カルテルに参入していない事業者の商品・サービスと比較して価格面などが劣っていることが通常ですので、少数の事業者においてカルテルを形成しても、需要者はすぐにカルテルに参入していない事業者の商品・サービスに乗り換えてしまいます。

「競争の実質的制限」が認められるためには、「一定の取引分野」において、参入事業者が50%以上などある程度大きなシェアを持ち、市場を左右するほどの影響力を持っていること(カルテルが功を奏しうる状況にあること)が必要です。

6 本ケースにおける留意点

(1) 独禁法上の問題

X社のプラットフォームには、各気象条件のもとで商品の販売価格と売上額との相関関係を提供する機能があり、参加事業者は、分析結果からもっとも収益性のある価格設定を予測することができます。このような機能を参加事業者が利用すること自体は、在庫コストの発生を抑止して収益性を高め、ひいては長期的な価格の低下にもつながりうることから、独禁法上問題ではありません。

ただ、参加事業者間において、例えば、「プラットフォームが自動算出した価格の1割増で価格設定する」ような暗黙の了解が生まれてしまえば、それぞれの事業者の間に共同意思の連絡や相互拘束があったと評価せざるを得なくなります。また、このような暗黙の了解の有無が不明瞭であったとしても、実際にそれぞれの事業者がプラットフォームの算出結果に応じた自動価格設定を常態的に行っていれば、「事業者間で情報交換をして同一又はこれに準ずる行為に出た」と評価されるおそれがあります。

このプラットフォームでデジタルカルテルが形成されうる「一定の取引分野」は、スーパーマーケット又はそれに類似した小売店舗で一般消費者向けに行われる生鮮品・日用品などの商品を販売する分野であると画定することができます。これらの事業活動を行う事業者の多くがこのプラットフォームを利用するようになり、プラットフォームが市場を左右しうるほどの支配力を持つようになれば、「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」ものと評価されるおそれがあります。

このプラットフォームが将来的に成長して参加事業者が大きく増加することを期待しているのであれば、当初からデジタルカルテルの温床とならないための方策を検討しておく必要があります。

(2) デジタルカルテルの温床とならないための方策


第1の方策として、商品の販売価格と売上額との相関関係データを、一定の幅を持たせた状態で提供することが必要です。商品の販売価格と売上額との相関関係が完全な曲線グラフで現れることは現実には考えがたく、一定のばらつきが生じることが通常です。このようなばらつきを考慮して一定の幅を持たせた相関関係データを提供することで、そのデータをもとに各事業者がどのように価格を決定するかについて裁量が生まれます。各事業者に対して裁量の余地を残しておくことで、価格決定に各当事者の意思が反映されるようになり、相互拘束が生まれにくくなります。

第2の方策として、参加事業者から収集したデータについて、X社の担当者も含めた厳格なアクセス制限をかけることが必要です。参加事業者からプラットフォームに提供されるデータからは、これまで各事業者が相関関係データを踏まえてどのような基準で価格を設定してきたか、傾向分析することが可能です。各事業者においてこのような傾向分析がなされれば、お互いに他の参加事業者の価格設定を容易に予測することができるようになり、価格を維持する行動につながりやすくなります。このような問題は、参加事業者が他の事業者の提供したデータにアクセスすることができない状況でプラットフォームを運用することによって、解消することができます。

第3の方策として、プラットフォームの参加事業者同士がプラットフォーム外で自社の価格設定基準を共有する行為などをプラットフォーム規約上で禁止し、違反が発覚した場合には利用禁止措置などを講じられる仕組みを採用しておくことが必要です。技術的な方策のみで補えない部分は、法律的な方策によって解決していく必要があります。

第3章 不公正な取引方法の問題

【ケース】

X社は、国家資格の教材を主に取り扱うオンラインショッピングモールを運営しています。国内で同様のオンラインショッピングモールを運営する会社としては、A社・B社・C社の3社がありました。X社は、加盟店がA社・B社・C社のモール上でも同一の教材を販売しているかどうかをAIによって確認し、すべての商品について他社での出品の有無を把握していました。X社は、各商品にランク付けをして、ランク5・ランク4・ランク3・ランク2・ランク1の順に検索で上位表示される仕組みを採用していました。ランク付けの基準は、次の表のとおりでした。ランク付けの基準は、一般には公開されていませんでしたが、加盟店向けマニュアルには記載されていました。

1 不公正な取引方法とは

「不公正な取引方法」とは、公正な競争を阻害する行為として独禁法や公正取引委員会告示である「不公正な取引方法」で掲げられるものの総称です。このコラムでは、「不公正な取引方法」のうち、特に、拘束条件付取引(公取委告示「不公正な取引方法」12号)と優越的地位の濫用(法2条9項5号)を取り上げます。

この他に、プラットフォームにおいて問題になりうる「不公正な取引方法」の例としては、(1)単独での取引拒絶(競争事業者のプラットフォームへの参加を拒否する行為など)、(2)差別的取扱い(プラットフォーム内での取引条件について競争事業者を差別する行為など)、(3)抱き合わせ販売(プラットフォームへの加入条件としてその他のサービスへの同時加入を義務づける行為など)などが挙げられます。

2 拘束条件付取引とは

(1) 本ケースにおける問題の所在

X社のオンラインショッピングモールは、表示ランク上有利な取扱いを受けるために、(1)他社モールに出品しないこと、(2)他社モールにも出品する場合にはその出品価格よりも安価な設定をすること、(3)X社提携配送サービスを利用すること、以上3つの条件をより多くクリアしたほうがよい仕組みになっています。

オンラインショッピングモールにおいて商品が上位に表示されるかどうかは、売上げを大きく左右する重要な事情です。そのため、X社が国家資格の教材販売モールとして大きなシェアを持っているか、今後大きなシェアを獲得する期待があれば、上記3つの条件を事実上クリアせざるを得ないとしてもX社のオンラインショッピングモールを利用したいというインセンティブが加盟事業者に対して働きます。

X社が採用するランク付けの方法は、加盟事業者に対して事実上半ば強制的に上記3つの条件をより多くクリアすることを求めるものであることから、「不公正な取引方法」として禁止される拘束条件付取引に該当しないかが問題になります。

(2) 拘束条件付取引の要件

公取委告示「不公正な取引方法」12号
・・・相手方とその取引の相手方との取引その他相手方の事業活動を不当に拘束する条件をつけて、当該相手方と取引すること。

拘束条件付取引の主な要件は、相手方の事業活動を「不当に」「拘束する条件」をつけたことです。

(3) 「拘束する条件」

「拘束する条件」とは、価格設定や広告表示、決済手段、配送方法などの事業活動にかかわる条件について何らかの制限を課して、契約で義務づけたり、契約上の義務がなくても、それに従わないことを理由に不利益を負わせたりすることをいいます。

オンラインショッピングモールにおいて商品が上位に表示されるかどうかは、その商品の売上げを大きく左右する事情です。「条件」を遵守するかどうかで表示ランクが決まる場合、加盟事業者としてはその「条件」をできる限り遵守するように行動しようとするため、従わないことを理由に不利益を負わせているといえます。

本ケースにおいて「拘束する条件」に該当しうるのが、次の3点です。

第1に、X社以外のオンラインショッピングモールで商品を出品しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点です。

第2に、X社以外のオンラインショッピングモールよりも有利な条件で出品しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点です。

第3に、X社の提携先配送サービスを利用しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点です。

本ケースにおいては、これらが「不当に」拘束する条件といえるかどうかが問題になります。

(4) 「不当に」

「不当に」とは、公正な競争を阻害するものであることをいいます。公正な競争とは、(a)新規参入を含めて、事業者がお互いに自由に競争することが妨げられないこと、(b)価格・品質・サービスの良し悪しによって競争上のランクが決まること、(c)取引にかかわる人が取引をするかどうか・取引の条件について自由で自主的に判断することができること、以上3つがすべて満たされていることであると考えられています。これらのいずれかを阻害するものが、「不当に」の要件を満たすと考えられます。

ア X社以外のオンラインショッピングモールで商品を出品しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点

X社のオンラインショッピングモールが有力な地位にある場合、X社以外のオンラインショッピングモールで商品を出品しているかどうかで表示ランクに差異が設けられていれば、加盟事業者はX社以外での出品を差し控える行動に出ます。それによって、X社以外の同業者は、サービスの良し悪しによって対等にX社と競争することが難しい状況になり、公正な競争が疎外されてしまいます。このような理由から、X社以外のオンラインショッピングモールで商品を出品しているかどうかで表示ランクに差異を設けることは、「不当に」拘束する条件であるものと評価することができます。

イ X社以外のオンラインショッピングモールよりも有利な条件で出品しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点

X社のオンラインショッピングモールが有力な地位にある場合、X社以外のオンラインショッピングモールよりも有利な条件で出品しているかどうかで表示ランクに差異が設けられていれば、加盟事業者はX社以外での出品価格をX社での出品価格よりも高額に設定する行動に出ます。インターネット上では、いわゆるネットサーフィンによってオンラインショッピングモール間での価格差をユーザーから容易に比較されることから、X社以外の出品価格が一般にX社よりも高額な状況になれば、ユーザーはX社以外のオンラインショッピングモールを利用しなくなります。それによって、X社以外の同業者は、X社と対等に競争することが難しい状況になり、公正な競争が疎外されてしまいます。このような理由から、X社以外のオンラインショッピングモールよりも有利な条件で出品しているかどうかで表示ランクに差異を設けることは、「不当に」拘束する条件であるものと評価することができます。

ウ X社の提携先配送サービスを利用しているかどうかで、表示ランクに差異を設けている点

X社のオンラインショッピングモールが有力な地位にある場合、X社の提携先配送サービスを利用しているかどうかで表示ランクに差異が設けられていれば、加盟事業者は提携先配送サービスの良し悪しにかかわらず他社の配送サービスを利用しない行動に出ます。それによって、配送サービスの同業者は、サービスの良し悪しによって対等にX社の提携先配送事業者と競争することが難しい状況になり、公正な競争が疎外されてしまいます。このような理由から、X社の提携先配送サービスを利用しているかどうかで表示ランクに差異を設けることは、「不当に」拘束する条件であるものと評価することができます。

3 本ケースにおける留意点

ここまで説明したように、本ケースにおけるランク付けの基準は、X社が国家資格の教材販売モールとして大きなシェアを持っているか、今後大きなシェアを獲得する期待がある場合、「不公正な取引方法」の1つである拘束条件付取引に該当するおそれがあります。X社としては、ランク付けの方法を見直して、「不公正な取引方法」に該当するおそれがあるものと評価されないように留意することが必要です。

ランク付けについては、X社のケース以外にも、自社・関連会社の商品に優先的なランク付けをする行動や、不合理なルールに従わないことを理由にランクを低下させる行動などが、「不公正な取引方法」と評価されるおそれがあります。ランク付けをプラットフォームにおいて実装するうえでは、「不公正な取引方法」と評価されることのないように、十分に留意しておく必要があります。

第4章 優越的地位の濫用の問題1-購入キャンセルオプション

【ケース】

X社は、健康増進プログラムを動画形式で配信することができるプラットフォームを開発しました。配信者は、自分で作成したプログラムを自由にアップロードすることができ、利用者は、好きなプログラムを有償で購入することができます。プラットフォームでは、「14日以内購入キャンセルオプション」があり、このオプションを付与するかどうかは、配信者がプログラムごとに任意に選択することができます。このオプションが付与されている場合、購入者は、14日以内であれば購入をキャンセルして、全額の返金を受けることができます。プラットフォーム上では、配信中のプログラムが一覧表示される仕様になっていますが、デフォルトの設定では、「14日以内購入キャンセルオプション」ありのプログラムが優先的に上位表示されるようになっています。

1 優越的地位の濫用とは

優越的地位の濫用とは、当事者の一方が相手方に対して、相手方に優越している取引上の地位を利用して、不当に不利益を与えることをいいます。このような行為は、「取引にかかわる人が取引をするかどうか・取引の条件について自由で自主的に判断すること」の妨げになるうえに、事業者がお互いに自由に競争することの妨げにもなることから、「不公正な取引方法」の1つとして独禁法で禁止されています。

優越的地位の濫用は、他の「不公正な取引方法」の禁止対象と重なることがあります。例えば、第3章で取り上げたランク付けの問題も、上位表示されるための条件を満たさなかったために低いランク評価をされた個々の加盟事業者と運営事業者との関係について、そのプラットフォームが市場で有力な地位にある(加盟事業者が他のプラットフォームに乗り換えられない)ことによって生まれる優越的地位が背景にあるととらえれば、優越的地位の濫用の問題として考えることができます。

事業者間における一般的な優越的地位濫用規制の考え方については、「ITフリーランスのために下請法・優越的地位濫用規制を事例で解説」でも詳しく取り上げていますので、ぜひあわせてお読みください。

2 優越的地位の濫用の要件

第2条第9項第5号
自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、次のいずれかに該当する行為をすること。
イ 継続して取引する相手方(新たに継続して取引しようとする相手方を含む。ロにおいて同じ。)に対して、当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させること。
ロ 継続して取引する相手方に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
ハ 取引の相手方からの取引に係る商品の受領を拒み、取引の相手方から取引に係る商品を受領した後当該商品を当該取引の相手方に引き取らせ、取引の相手方に対して取引の対価の支払を遅らせ、若しくはその額を減じ、その他取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること。

優越的地位の濫用の主な要件は、次のとおりです。

(1) 自己の取引上の地位が相手方に優越していること(優越的地位)
(2) 優越的地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に、取引の相手方に不利益となるように取引の条件を設定し、若しくは変更し、又は取引を実施すること(濫用行為)

条文のイ・ロ・ハ前段は、それぞれハ後段の例示とされていることから、主な要件としては、以上のように理解することができます。

3 優越的地位

公正取引委員会の「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」は、優越的地位の意味について、相手方にとって行為者との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため、行為者が相手方にとって著しく不利益な要請などを行っても、相手方がこれを受け入れざるを得ない場合であるとの解釈を示しています。事業者間において優越的地位が認められるかどうかについては、基本的には、この枠組みの中で解釈していくことになります。

一般に、行為者と相手方との間に優越的地位があるかどうかは、(1)相手方が行為者に対してどれくらい依存しているか、(2)行為者が市場においてどれくらい有力な地位にあるか、(3)相手方が取引先を変更することが困難であるか、(4)その他相手方が行為者と取引を継続することを必要としているかといった事情を考慮して判断すべきものとされています。

本ケースにおいては、まず、X社のプラットフォームが市場においてどれくらい有力な地位にあるかが問題になります。(1)健康増進プログラムの動画配信プラットフォームに有力な競合がない、(2)X社のプラットフォームが検索サイトにおいて上位にランクしている、あるいは、多数のメディアで取り上げられていて知名度が高いなどの事情があれば、X社のプラットフォームは市場において有力な地位にあり、配信者が他社プラットフォームへの乗り換えを躊躇する状況にあると評価することができます。

また、健康増進プログラムの動画配信が、トレーナーなど業界関係者からニーズの高い事情があれば、配信者のX社に対する取引依存度も高いと評価することができます。

以上のような事情があれば、X社と配信者との間における優越的地位が認められうるものと考えられます。

4 濫用行為

濫用行為には様々な類型がありますが、(1)相手方に対して不利益な取引条件の設定・変更又は取引の実施であること(不利益性)、(2)それが正常な商慣習に照らして不当であること(不当性)、(3)相手方の自由かつ自主的な判断を妨げるものであること(公正競争阻害性)が共通の要件です。なお、公正競争阻害性については、(2)の不当性の一部として位置づける見解と、独立した要件として位置づける見解とがありますが、このコラムとは、不当性とは別の要件として検討しています。

(1) 不利益性

本ケースでは、「14日以内購入キャンセルオプション」ありのプログラムが優先的に上位表示される仕様になっていることから、配信者としては「14日以内購入キャンセルオプション」を配信プログラムに付与せざるを得ない状況にあります。運営事業者が「14日以内購入キャンセルオプション」を義務づけているわけではありませんが、事実上、「14日以内購入キャンセルオプション」を付与することを強く要請する取引条件の設定がなされていたものと評価することができます。

本ケースは、運営事業者に対して経済上の利益を提供することを要請するものではないことから、ロの「自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること」には該当しません。ただ、運営事業者に対して経済上の利益を提供させていないとしても、運営事業者の便宜によって一般ユーザーに経済上の利益を提供させて配信者に不利益を課していることは、「自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること」に近い状況であると考えられます。前述したように、イ・ロ・ハ前段はあくまでも例示であることから、本ケースについてもハ後段の規定を根拠に不利益性の要件を満たすと解釈することができます。

(2) 不当性

「正常な商慣習に照らして不当に」とは、業界における取引上の社会通念に照らして、合理的な範囲を超えた不利益であることをいいます。このような不当性の判断においては、(a)その行為によって相手方が受ける不利益の程度、(b)その不利益が相手方に計算することができないものかどうか、(c)相手方がその不利益と引き換えに受ける利益の程度、(d)相手方がその不利益を受け入れることの合理性など様々な事情が考慮されます。

本ケースにおける「14日以内購入キャンセルオプション」は、通信販売において特約がない場合に適用されるクーリングオフよりも対象期間が長く、プログラムの大部分を14日以内に視聴されてキャンセルされうるリスクもあることから、配信者にとって大きな不利益となりうるものです。また、「14日以内購入キャンセルオプション」には、一般ユーザーがプログラムを購入しやすくなって販売促進効果が期待される面はあるものの、キャンセルによって配信者が受けるおそれのある不利益と比較して期待される効果は小さいものと評価されます。これらの事情を踏まえると、「14日以内購入キャンセルオプション」は、「正常な商慣習に照らして不当」な不利益であると考えられます。

(3) 公正競争阻害性

公正競争阻害性とは、相手方の自由かつ自主的な判断を妨げることをいいます。相手方が、正常な商慣習に照らして不当な不利益であるにもかかわらず、それを受け入れる以外に合理的な選択肢をとることができない状況にある場合には、この要件を満たすものと考えられます。

本ケースにおいては、健康増進プログラムを動画形式で配信することができるプラットフォームに競合が少ないか、あるいは、競合事業者と比べてX社が有力な地位にある場合には、X社から示された不利益な条件を受け入れてでも、X社のプラットフォームを利用せざるを得ません。X社に優越的地位が認められる場合、公正競争阻害性も認められる可能性が高いものと考えられます。

5 本ケースにおける留意点

ここまで説明したように、X社のプラットフォームが市場において有力な地位にあるなどの理由でX社の配信者に対する優越的地位が認められる場合、「14日以内購入キャンセルオプション」に関する現在の仕様は、優越的地位の濫用に該当するおそれがあります。X社の対応としては、「14日以内購入キャンセルオプション」の付与されたプログラムをデフォルトで上位表示する仕様を見直したり購入キャンセルが可能な日数を配信者側で自由に設定することができる仕様に変更したりすることが考えられます。

第5章 優越的地位の濫用の問題2-個人情報の利用目的変更

【ケース】

X社は、レシートやクレジットカードサービスとの紐づけ、家族間でのアカウント連携によって、簡単に家計収支を管理することのできる家計簿プラットフォームを配信しています。このプラットフォームでは、利用者に広告を配信し、そのクリック数に応じて収益を得る仕組みを採用していました。X社は、広告収入を増やすために、新たに、利用者の購入歴をAIで傾向分析して、利用者の興味関心を分析した結果を広告配信事業者に送信することで、それぞれの利用者の興味関心に合った広告を効果的に配信する仕組みを採り入れたいと考えました。そこで、プライバシーポリシーを改訂して、利用者の興味関心に合った広告を効果的に配信するために購入歴情報を広告配信事業者に送信することを明示することにしました。そして、既存の利用者に対しては、プラットフォーム上で「今後ご利用を継続していただくためには、これまでの購入歴情報についても改訂後のプライバシーポリシーを適用することに同意していただく必要があります」と注意喚起表示をし、同意した利用者に限りプラットフォームの利用継続を認めることにしました。

1 事業者と消費者との間における優越的地位の濫用

優越的地位の濫用が問題になるケースは事業者間が多いですが、独禁法の条文には、「相手方」を事業者に特定する規定はありません。公正取引委員会の「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」でも、事業者と消費者との関係において優越的地位の濫用が成立しうることを前提にした考え方が示されています。

先ほど説明した「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」に示される基準を踏まえると、事業者が消費者向けにサービスを提供する場合において、消費者がそのサービスの利用を継続することが困難になった場合に生活に大きな支障を来すために、事業者が消費者に対して著しく不利益な要請などを行っても消費者がこれを受け入れざるを得ない関係性があれば、事業者と消費者との間に優越的地位が認められうると考えられます。

2 個人情報の収集・利活用と優越的地位の濫用

AIをはじめとするデジタルトランスフォーメーション(DX)の普及の流れにより、個人情報を集積したビッグデータが大きな経済的価値をもつようになっています。

消費者は、無料ないしは低価格でITサービスを利用する代わりに、自らの個人情報を事業者に提供することが、現代においては当たり前になっています。そのITサービスが生活の中で有用なものであればあるほど、消費者は、たとえ不本意に個人情報を収集・利活用されるとしても、それを受け入れてITサービスを利用せざるを得ません。こういった構図は、まさに、「親会社から発注を止められないために無理な要求を聞き入れなければならない下請会社」と類似しています。

このような理由から、事業者が消費者から個人情報を収集・利活用する場面においても、優越的地位の濫用が問題になります。

3 優越的地位

優越的地位については、先述した「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」において判断基準が示されています。それによれば、消費者にとって(1)代替可能なサービスを提供するプラットフォームがない、(2)代替可能なサービスを提供するプラットフォームがあるが、プラットフォームを乗り換えることが事実上困難な場合、(3)事業者がその意思である程度自由に価格・品質・数量その他各般の取引条件を左右することができる地位にある場合には、通常、優越的地位が認められるとされています。

本ケースにおいては、家計簿ツール自体は世の中に多々存在しているものの、家計簿ツールを途中で乗り換えることの困難さが問題になります。家計簿ツールは、日々発生する多数の購入履歴を管理していることから、スムーズにデータ移行ができない限り、家計簿ツールを途中で乗り換えることには困難が伴います。家計簿ツールに汎用的なファイル形式でデータをダウンロードする機能が備わっているなどの事情がない限り、X社とユーザーとの関係には優越的地位が認められ得ると考えられます。

4 濫用行為

本ケースにおいては、既存の利用者に対して、これまでの購入歴情報についても改訂後のプライバシーポリシーを適用することに同意しなければ利用継続を認めないことが、濫用行為に該当するかどうかが問題になります。第4章で取り上げたケースと同様、濫用行為に該当するかどうかを、(1)不利益性、(2)不当性、(3)公正競争阻害性の観点から検討します。

(1) 不利益性

本ケースにおいてユーザーが受ける影響は、購入歴情報が改訂後のプライバシーポリシーに従って取り扱われるようになることです。具体的には、購入歴情報を広告配信事業者に提供され、自己の興味・関心を分析されることが、ユーザーが受ける影響の内容です。購入歴情報があれば、その人が日々どのような生活をして、どのようなことに興味があって、どの程度の経済水準であるかを容易に推知することができます。これらの事情を他人にむやみに知られることは、多くの人にとって望ましいことではありません。よって、購入歴情報に改訂後のプライバシーポリシーを適用することは、不利益な取引条件の設定・変更に該当しうると考えられます。

(2) 不当性

購入歴情報を広告配信事業者に提供することが不利益な取引条件の設定・変更に該当するとしても、さらに、「正常な商慣習に照らして不当」であるかが問題になります。

第4章で取り上げた一般的な不当性の基準に即して、(a)ユーザーが受ける不利益の程度、(b)その不利益の程度をユーザーがあらかじめ予測することができないか、(c)ユーザーがその不利益と引き換えに受ける利益の程度、(d)ユーザーがその不利益を受け入れることの合理性などの事情を踏まえて検討したいと思います。

まず、広告配信事業者に、その人が日々どのような生活をして、どのようなことに興味があって、どの程度の経済水準であるかを推知される不利益は、プライバシーの観点から決して小さいものとはいえません。また、広告配信事業者は、購入歴情報からどこまで詳細なプロファイリングを行ってどのように利活用するかについては、ユーザーにとっては予測が困難です。さらに、購入歴情報の提供によって利益を得るのは、広告配信事業者と広告収入を得る運営事業者のみであり、ユーザーにとっての利益は期待することができません。

これに対し、運営事業者の立場からは、個人情報保護法に則して「第三者提供のための同意」を得ている以上、ユーザーが不利益を受け入れる合理性があるとの説明が考えられます。ただ、優越的地位が認められる状況においては、ユーザーとしても同意を受け入れざるを得ないと考えられることから、これをもってただちに合理性を認めることはできないと考えられます。

さらに、最近の個人情報保護法制では、EU圏を中心にターゲティング広告に対して消極的な傾向があり、そのような昨今の事情を踏まえても、ユーザーが不利益を受け入れる合理性は認めにくいものと考えられます。

以上のような理由から、購入歴情報を広告配信事業者に提供することは、「正常な商慣習に照らして不当に」不利益な取引条件の設定・変更をしたものであるように考えられます。

(3) 公正競争阻害性

本ケースにおいては、家計簿ツールに汎用的なファイル形式でデータをダウンロードする機能が備わっているなどの事情がなく、スムーズにデータ移行ができない限り、家計簿ツールを途中で乗り換えることには困難が伴います。たとえ、同意しない場合に他サービスへの乗り換えの自由が与えられていても、現実に乗り換えが難しいのであれば、公正競争阻害性が認められる可能性が高いものと考えられます。

5 本ケースにおける留意点

ここまで説明したように、本ケースにおけるX社の対応は、優越的地位の濫用に該当するおそれがあります。X社の望ましい対応は、購入歴情報を広告配信事業者に送信する対象を、新規ユーザーに限定することです。

このような対応が難しい場合の代替策としては、他サービスへのデータ移行が容易なファイル形式でのダウンロードを可能にして、退会者が容易に他サービスに乗り換えられるように配慮することが考えられます。これは、データポータビリティといわれるものです。

6 個人情報保護法との関係

個人情報の収集・利活用に対する優越的地位の濫用が問題になる場面では、同時に個人情報保護法にも抵触するケースが多々あります。ただ、両者は必ずしもイコールではなく、個人情報保護法には抵触しないが、優越的地位の濫用には該当しうるというケースはあります。

EUの個人情報保護法制であるGDPRでは、本人の「同意」を根拠にした個人データの処理に対して厳格なルールを設けており、かつ、データポータビリティを権利として認めることが義務づけられています。一方、日本の個人情報保護法では、「同意」を根拠にした個人情報の取扱いや個人データの第三者提供が比較的緩やかに認められており、データポータビリティの権利も定められていません。このような日本の個人情報保護法では規制対象になっていない領域について、優越的地位の濫用の考え方によって補完しうると考えられます。

第6章 まとめ

このコラムでは、デジタルプラットフォームに独禁法が適用されうる事例について、詳しく説明しました。デジタルプラットフォームを構築するうえでは、ビジネスモデルの適法性利用規約プライバシーポリシーの検討など、様々な法的知識が不可欠です。Web Lawyersでは、デジタルプラットフォームを構築・運用されたい事業者様に向けて、ビジネスモデルの適法性に関するアドバイスや、利用規約やプライバシーポリシーの作成支援などの法的サポートサービスをご提供しています。

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